北海道十勝管内を流れる十勝川、厳冬期になると川面が凍結する。 割れた氷は流れに乗って太平洋に注ぎ込む。 氷片は波間を漂い荒波にもまれるうち、大小さまざまな形の塊となって海岸に打ち上げられる。 ピーク時、大津海岸一帯を埋め尽くす。 8年ほど前、初めて、その存在を知り、出かけて行ったとき、波が創り出した造形美の面白さに圧倒された。 透明なクリスタルのような氷のオブジェは、陽の光を浴びると一層美しさを増す。 夜明け時、朝日に照らされ宝石のように煌めく様子は圧巻だった。 気象に翻弄されながら氷塊はその都度、表情を変え被写体として私を魅了した。 世界的にも稀な現象であることは知らず、ただ氷塊の輝きに魅了され、飽くことなく8シーズンほど通い詰め撮り続けている。
◆ 2017年1月 ニューヨークタイムズが「世界でも珍しい現象」と紹介。
◆2018年1月 イタリア紙ラ・スタンパが大津海岸の現象を電子版で紹介。
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北海道網走国定公園サロマ湖 佐呂間町生まれ
15歳より札幌在住。大学在籍中に広告写真に興味を持ち始める。大手印刷会社、広告代理店写真部常駐を経て独立
■ここ数年、香港、台北、中国本土で開催された北海道主催のイベント会場にて 北海道の風景、野生動物写真を発表。
■2017年2,3月 世界旅行博覧会(ロサンゼルス、パリ、ベルリン)にて 北海道の野生動物、ジュエリーアイス(氷の世界)発表。
■2018年3月 ベルリン国際見本市のJTBブースにてジュエリーアイス発表。
■2018年3月 「年鑑日本の広告写真」にジュエリーアイス8点掲載される。
■2018年5月 第66回日本観光ポスターコンクールでジュエリーアイス
(豊頃町観光協会制作)が優秀作品に選ばれる。
■2018年10月27日~11月6日 ソニーストア札幌αプラザ2Fギャラリーにて「ジュエリーアイス 氷が創る奇跡の海岸」展 開催予定
北海道東部に位置する十勝豊頃町は、大雪山を源に発し広大な十勝平野を流れる十勝川が最後に行き着く十勝発祥の地です。
十勝の開拓を夢見た多くの先人が、豊頃町大津から十勝川に沿い内陸に入植し、現在の十勝の経済や文化発展の礎を築きました。
本町の開拓に大きな役割を果たしたのは二宮尊徳(金次郎)の嫡孫、二宮尊親で、当時の北海道で多かった大地主制による小作農ではなく、「報徳のおしえ」によって独立した農民を育て上げました。「報徳のおしえ」は、今も豊頃町民の誇りとなって町民憲章に受け継がれています。
豊頃町の内陸は夏には太平洋から温暖な季節風が吹きこみ、冬には内陸に蓄積された寒冷な季節風が吹く大陸性の気候の地で、積雪量は少なく、秋から春にかけて「十勝晴れ」といわれる晴天の日が続きます。多様性に富んだ環境に恵まれ四季を通じて、天然記念物に指定されている野鳥5種ほか、たくさんの野生動物に出会うことができるのも魅力の一つです。
大津地域を拠点に営まれる漁業も盛んで、十勝川に帰ってくる秋サケの定置網漁を中心にシシャモ、ツブ、ホッキ、マツカワなどが水揚げされます。
このように、古くから十勝川の恩恵を受けて豊かな生活を築いてきた豊頃町ですが、今また新たに「ジュエリーアイス」という北海道を代表する絶景が注目を集めています。
ジュエリーアイスは結氷した十勝川の氷が太平洋に流れ出て、波間を漂ううちに様々な形に変化しクリスタルのように透明な氷塊が砂浜に打ち上げられ、太陽の光を受けて美しく輝く自然現象です。
冬の豊頃町に足をお運び下さり、誰もが息をのむ美しい光景をご覧頂ければ幸いです。
豊頃町 豊頃町観光協会
MIRACLE BEACH 氷が創る奇跡の海岸
1月中旬から2月下旬まで、様々な表情を見せる、光り輝く無数の氷塊が海岸を埋め尽くす「ジュエリーアイス」。北海道中川郡豊頃町の大津海岸で繰り広げられる、自然が生み出す奇跡のドラマを、プロフォトグラファー岸本日出雄 氏が撮影した写真作品集が登場!
2018年9月20日(木)販売開始。
Scene北海道ホームページ内、
「Jewelry Ice Miracle Beach〜氷が創る奇跡の海岸 岸本日出雄 写真集」特設ページにて、先行予約受付中。
仕様/A4横サイズ P80 フルカラー
定価/1,800円(税込)[本体価格 1,667円]
送料/(1冊)150円 ※複数ご購入の場合は価格が割安となります。お申込み後送料をお知らせいたします。
冬の北海道、十勝川河口の大津海岸に打ち上げられた氷の宝石「ジュエリーアイス」。2016年の新聞で紹介されると、インターネット等のメディアを通じて全国的に注目されるようになった。その美しさから、道内はもとより道外や海外から観光客が大津海岸へと足を運んでいる。太陽の光によって様々な色に輝く氷の塊を「ジュエリーアイス」と名付けたのは、豊頃町生まれで写真家であり小樽商科大学の教員をされている浦島久先生である。2012年の頃である。“一度は見てみたい”と思ってしまう魅力的な言葉だ。大津海岸がある豊頃町では、「ジュエリーアイス」を貴重な観光資源として捉えて、2015年からインターネット上で情報を発信している。注目度が高くなるとともに、ジュエリーアイスに関する問い合わせが増えているが、「ジュエリーアイスは、どのようにして出来るのか?」という根本的な問いに答えられない状況にあった。 そこで、この問いに答えるために、北見工業大学と福田水文センターで研究チームを結成し、現象の解明に取り組んでいる。過去のジュエリーアイスの発生時期と潮位(海面の高さ)との関係を調べ、聞取り調査を実施し、2017年には現地観測を実施した。この結果、ジュエリーアイスが大津海岸に現れるまでのメカニズムを、以下に示す4つの現象に区分することが出来た。
十勝川河口から約20km上流の地点において、観測された河氷の厚さと気温との関係を調べた。気温データから計算した河氷の厚さと観測された河氷の厚さの誤差が小さいことが確認 された。このことから、気温の低下により十勝川で河氷が形成されることが分かった。
十勝川に形成された河氷が破壊される瞬間を撮影するために、2017年の冬から定点カメラを現地に設置した。カメラの映像から、十勝川の河氷が破壊される現象は、潮位の変動が大きい 大潮時において、潮位が低い状態の干潮から潮位が高い状態の満潮にかけて見られた。
破壊された河氷が海へと流れる現象は、カメラの映像から、潮位が高い状態の満潮から潮位が低い状態の干潮にかけて見られた。さらに、十勝川から水に浮く「浮子」を投入して、大津海岸 に堆積するかどうかの観測を実施した。風向に着目して検討したところ、大津海岸に流れ着く条件として「北からの風」が上げられた。
河氷が海岸に堆積する現象は、カメラ映像から、潮位の変動が大きい大潮時において、潮位が低い状態の干潮から潮位が高い状態の満潮にかけて見られた。
以上の事を整理すると、「ジュエリーアイスは、どのようにして出来るのか?」への現時点での答えは、
1潮位の変動が小さい小潮時において、気温の低下により河氷が形成される。
2大潮時の干潮から満潮にかけて、河氷が破壊される。
3破壊された河氷は、満潮から干潮にかけて海へと流れる。北風、東風が吹くことにより河氷は大津海岸に近づく。
4大潮時の干潮から満潮にかけて、河氷は海岸に堆積しジュエリーアイスとなる。
壮大な自然現象によって現れるジュエリーアイス、冬の北海道の新たな魅力を発見しに来ませんか?